クラスプには、サンバーストの彫りの中心にオールドヨーロピアンカットの天然ダイヤモンドが彫り留められた豪華なデザイン。
セイフティチェーン付き
すべてのチェーンリンク(輪)にある刻印もデザインとなっています。
そのチェーンがダブル(2連)に。
これほど完成度の高いデザインのボリューミーなメンズブレスレットはそうそうお目にかかれるモノではありません。
「1850年代のUKヴィクトリアンのブレスレット」とイギリスの仕入先ディーラーは言っていましたが、
よくよくモノを観察してみると、これは
1880年代製の9金ピンクゴールドのTバー付きウォッチチェーンが
1950年代にクラスプ(留め具)をつけて、ブレスレットにコンバートして仕立てられたモノ。
チェーンはリンクの1つ1つに9金を表す"375"と"9"の刻印が打たれたピンクゴールドで、クラスプ部分は"14K"の刻印が入ったイエローゴールド。
・チェーン部とクラスプ部で金位の表示法(「9」にはKがなく「14K」にはKがある)にズレがあること
・カラー(ピンクゴールド&イエローゴールド)に違いがあること
・ウォッチチェーンによく見られるTバーが装飾的に付いている
・チェーンの製法がヴィクトリアン期(1837-1901年)なのに、クラスプは14Kという1932年以降に用いられる金位であること
・1930年代にはアールデコの流行期で、戦後(1945〜)から1950年代かけてにはヴィクトリアンなデザインが再流行していること
これらを総合的に見ると、
Tバーを含む9金ピンクゴールドのチェーン部分はレイトヴィクトリアン期(1880-1900年頃)
クラスプ部分は1950年代製
と推定できます。
Tバー付きのチェーンは1800年代後期から1900年代初頭に懐中時計用として流行したモノ。
その懐中時計が使われなくなり、代わって腕時計やブレスレットが流行した1950年代にブレスレットにリメイクされたモノなのでしょう。
このブレスレットのたどった変遷が、19世紀から20世紀にかけてのWorld Historyを見事に象徴しています。
そしてそれが、今、これから、21世紀の東京で、誰がどう引き継いでいくのか。
過去、現在、そして未来へと脳内タイムトラベルができるのは、アンティークゴールドだからこそできる究極にラグジュアリーな娯楽ですね。
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